2024.01.07

売らずに貸すのは難しいのか？

hudousankaitori@

郊外の戸建てなら有り

相続物件や既にローンを支払い済の物件で売らずに貸せないかという相談を受ける事があります。結論から言えば可能です。ただし、できれば郊外の戸建ての方が適正があります。

郊外の戸建てでそのまま売ってもあまり高く売れず、かといって住めないほど傷んでもいないのであれば、貸出を検討しても良いと思います。

例えば、駅から少し離れていても敷地内に駐車場があれば問題ありません。周辺が住宅地でなくても問題がありません。

余程の集落から離れた場所でなければ、特に関東圏に関しては借りたいという人は見つかる可能性があります。

当然、東京都内でも賃貸需要はあります。マンションでも戸建てでも郊外よりも首都圏の方が賃貸需要は高いです。ですが、競争も激しいという別の一面もあります。

例えば東京23区内で賃貸物件を貸し出すのであればある程度の費用をかけて水回りのリフォームをしないと借主が付かないケースが多いです。

仮に賃貸で入居者が決まっても、少しでも暮らしづらい環境であることに気付くとすぐに引っ越されてしまいます。競争が激しいので同じ家賃でより良い物件があればそちらに移ってしまうのです。

その点、郊外の戸建てであれば、まず周辺に競争となる戸建ての賃貸物件自体があまり無いケースが多いです。転勤等でその地域に一時的に住まないといけない人や子供の学校の都合で、エリア内でアパートから広い戸建てに引っ越したい人の賃貸ニーズがあります。

そういった人達が少ない選択肢の中から選んでもらった方が10年単位で長期的に住んでくれる可能性があります。

また、中古戸建物件として売却した所で、500万円以内の金額にしかならないケースも少なくありません。そうなると賃料収入で毎月5万円で貸し出した方が長期的なメリットは大きい可能性があります。

特に都会でもなく、田舎と言い切れるほどの郊外でもない微妙なラインにあるエリアは賃貸で貸し出した方がメリットが大きいです。

例えば埼玉県の東武東上線の終着駅付近に東松山という駅があります。池袋から電車で1時間近くかかりますので、都心とは言い切れず、かといって完全に郊外とも言い切れない場所です。この東松山市の人工は約9万人です。

その東松山市内で2024年1月時点でアットホームで賃貸戸建て物件を探すと30件ほどしか出てきません。その中で重複している物件を整理するとおよそ20件ほどしかありません。

東松山市内の小学校は11校あります。少なくともこの11校の学区で分けると平均1学区に2戸程度しか戸建ての賃貸物件が無い計算になります。需要に対して供給が少ないとも考えられます。

同じく東松山市内の中古戸建の売却状況を見ると、築古の物件は1,000万円を割り込む価格帯で出ている事も多いです。2,000万円近い物件はいずれも新築に近い年数かリフォーム済の物件です。

こういった事情を考えると、東松山市内で築古の戸建てを持つ人は売り出してもあまり高く売れない可能性が高いので、賃貸で貸し出すという戦略の方が長期的にはメリットが大きいとも言えます。

では、マンションの場合はどうでしょうか？郊外でもマンションの場合は残念ながら、売却の場合も、賃貸で貸し出す場合も一定の競争下に置かれる可能性が高いです。

それは、マンションやアパートは不動産投資の過熱から元から物件の供給量がある程度豊富にあります。先ほどの東松山市内に限っても賃貸物件でアパートやマンションを検索すると、家賃5万円台程度の物件は大量に出てきます。

特に地方の空き室は投資物件から目立ち始める傾向があるため、区分のマンションに関しては空き室が多く家賃の値下げ競争も激しくなっています。

戸建てに関しては、戸建て特有のメリットである駐車場があり、子供が騒いでも迷惑にならない等のメリットがあるため、家賃は比較的底硬く推移します。

売却の場合においてもマンションは残念ながら、過去に同じマンション内で売れた事例や近隣の同一年代の物件の売却事例に引っ張られます。

そのため、賃貸で貸し出すのであれば郊外の物件は戸建てであれば可能性があるが、マンションの場合は少し難しいという結論になります。

ただし、しっかりとリフォームをするのであればこの限りではありません。

都心の物件でも、所有者の方がしっかりとリフォームをして長期的に貸し出すをするという戦略で投資物件として運用されているケースは多くあります。

ある程度の投資をするのであれば、当然都心のマンションで賃貸物件として保有し続けるという選択肢は有りです。

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