2023年11月の中古マンション取引
東日本レインズの2023年11月取引データ
不動産会社にはおなじみのレインズによる不動産取引データの集計です。レインズとは公益財団法人 東日本不動産流通機構が運営する不動産会社間の物件情報ポータルです。
そちらの制約事例や登録事例を基に毎月集計データを発表してくれます。
詳しくはこちらを参考になさってください。
出典【レインズデータライブラリー】
http://www.reins.or.jp/library/2023.html
データがいくらあっても膨大な量のためサマリを基に解説をします。不動産をこれから売ろうと考えている方は参考になさってください。
中古マンションの販売状況
出典【レインズデータライブラリー】
http://www.reins.or.jp/library/2023.html
2023年11月時点の取引では首都圏マンションの㎡単価は前年同月比に比べて、+7.6%上がっています。値上がり傾向は続いています。
中古マンションの登録件数も+3.7%と増えている事から、値上がりつつ、競合となる物件も増えている状況になります。
では中古マンションはこのような状況のなかで売れているのでしょうか?
中古マンションの成約状況
出典【レインズデータライブラリー】
http://www.reins.or.jp/library/2023.html
東京都区部では前年比、+7.6%となっており、順調に売れています。神奈川県でも横浜川崎市は前年比を上回っています。
ここで気になるのは埼玉県と神奈川県の他エリアの状況です。前年比を下回ってきています。直近の不動産買取QAの取引先不動産会社からの情報であくまで感覚的な印象ですが、3,000万円~5,000万円の中価格帯の物件が販売状況があまり進まなくなってきています。
郊外の物件がこの価格帯に該当してくるため、印象としてはやはり少し動きが重くなってきたなという感覚的な部分と合致します。
出典【レインズデータライブラリー】
http://www.reins.or.jp/library/2023.html
こちらは成約単価のデータです。こちらも埼玉県と神奈川県の横浜・川崎以外のエリアでは下がってきています。東京23区内や横浜・川崎、千葉県は伸びています。
結論としては郊外の物件の動きが少し悪くなっており、物件単価も下がってきているというのが2023年11月のデータです。
不動産の価格は上昇していますが、肝心の物件を買うサラリーマン世帯の収入はあまり増えていません。住宅ローンは年収倍率も上がり組みやすくなっていますが、限界があります。
供給される物件の単価に対して、買う人の給料が追い付かなくなってきている印象もあります。もちろん、東京23区内の一部のエリアでは投資家や富裕層による高額帯の物件が盛んに買われているという別の一面もあります。
これは海外から見たら、例えば東京都港区の物件はまだまだ安く感じるため、海外投資家の資金も流れてきている事が起因します。
ですが、足元の一般世帯の郊外物件に関しては少し買うのが苦しいなと感じている層が増えている印象があります。
郊外物件の所有者は売り時に注意
郊外物件の所有者の方は、まだまだ値上がりするだろうと、売り時を待っていたり、一般媒介で時間をかけて売っていると売り時を逃がす可能性があります。
データとしては一年前と比較して落ちてきているのは確かで、これが2023年12月、2024年1月と郊外から横浜・川崎あたりまで落ちてくると、そろそろ天井の可能性があります。
ただし、東京23区内の一部の地域では継続して上がり続けるため、自分が所有している不動産とそれらの値上がりしている不動産との違いに気づかないとなかなか売れずに苦戦するかもしれません。